近年外国人旅行者や日本に住む方が増えてくるに伴って、日本のヘアサロンに訪れる方も増えてると思います。
あなたのヘアサロンにもしヘアカットをしたい外国人のお客様が来た時に困った事ありませんか?
なんて思った事ありませんか?
日本人にとって可愛い、キレイというデザインが海外の方からすると全く違うという事が多々あります。これは、国ごとに流行ってるデザインや髪の毛への考え方が違うために起こってしまうんですね。
なので今までロンドンで2年、ニューヨークで5年、その後東京で1年働き、外国人比率70%施術してきた僕の経験談から話したいと思います。
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欧米人のヘアカットの時知っておくとお得な情報
欧米人の髪の毛はアジア人より細くて少ないイメージだと思います。
でも髪の毛の本数はなんと欧米人の方が多いんですね。日本人やアジア人の髪の毛の本数は10万本ほどど言われてますが、欧米人は14万本ぐらい生えてるんです。
日本でも1年前ぐらいから流行ってるブツ切りスタイル。もともとは外国人のようなブラントに見える毛先の切り方から流行してます。
まだまだ根強いブラントカットの重要性。
欧米人の髪の毛は14万本と本数自体は多いのですが、一本一本が細く猫っ毛のように柔らかい髪質なのでぺたんとフラットになりやすいのが特徴です。
なので欧米人の方はそのようにボリュームがない髪の毛をボリュームがあるように見えるスタイルが好きな傾向が強いです。
ヘアカットの重要性より、仕上げの際にしっかりと根元から立ち上げる事がとても重要なので、サイドパートで分けてあげたり、ドライの根元の際に根元の方向性をしっかりとつけてあげる事が重要になってきます。
クセの強い欧米人の場合
ヘアカットをする際、毛先をブラントに重く見えるようにカットし、レイヤーなど毛先が軽くなるスタイルを好まない傾向にあります。
上記のように重さを重視する人の特徴として、地毛がくせ毛であり重さを残さないとうねってきやすい方に多く見られます。アジア人の癖とは比べものにならないぐらい癖が強い欧米人の方は、レイヤーを入れただけで根本の癖でスタイルが大きく崩れたり、毛先を軽くしても根本の癖が1ヶ月分伸びただけで毛先の軽い部分がバラバラになりハネやすくなるため毛先をブラントのままにされてる方が多く見られます。
このタイプは、ポニーテールにすると両手を使わないと結べないぐらい多毛の方もすごく多いですが、髪の毛の量を減らすとクセが出やすいというイメージを持っているのでセニングなどを嫌う傾向にあります。
このようなお客様へのアプローチとして、顔まわりだけレイヤーを入れてあげると、ストンとしたワンレングスではなくなるので気に入ってもらえる傾向にあります。
またカーリングアイロンなどでスタイリングをするレベルの人であれば、ワンレングスのスタイルから、グラデーションを入れてあげて、それに慣れるとレイヤーを入れるといった具合に段階的に提案すればカーリングアイロンが巻きやすいヘアデザインを受け入れてくれる傾向にあります。
最近は毛先だけは少しギザギザで動きが出やすいようなスタイルを好む方が多くなってきてるように感じます。
ストレート毛の欧米人の場合
ストレートの髪質の欧米人の方の場合、スタイリングをしてない状態だと根本がぺたっとフラットになりやすいのでトップにボリュームをほしい方が多いのが特徴です。
なので、レイヤーをたくさん入れてあげたり、ディスコネクトカットを利用してトップに丸みをもたせてあげるようなスタイルをしてあげると好まれる傾向にあります。
ストレート毛の方は、ドライシャンプーなどを使い根本をフワッと浮かせる事がスタイリングの状態で必要になってきます。
なので毛先がブラント状態より、少し軽い方がスキマが生じてボリュームを出しやすいしカーリングアイロンも巻きやすいので癖がある方よりヘアデザインの提案の幅が広がります。
欧米人の方も、以前より髪の毛を軽くするスタイルがだんだんと受け入れられてきてるので、スタイルの作り方も日本人の髪の毛を切る時と比べてそこまで差がないようになってきてますが、セニングシザーを使った方法はまだまだ受け入れにくい現状です。
もともと髪の毛の一本一本が細いので、細かく均等に削られるセニングシザーだと細い髪の毛がバサっと浮きやすいのが特徴です。
髪の毛を軽くする場合は、シザーで内側、毛先を束で減らしてあげると一本一本がまとまりやすく好まれる傾向にあると思います。
骨格もアジア人に比べて凹凸がしっかりとしてるので、短いスタイルを作る際に普通にカットするだけでメリハリのあるヘアスタイルができます。アジア人のように絶壁だったり、骨格が非対称な人なども少ないのが特徴です。
アジア人のヘアカットの時知っておくとお得な情報
アジア人の中でも日本人に身近な中国人のヘアカットはどうでしょうか?
ここ最近中国人と日本人との見た目の差があまりないぐらいメイク、ヘアスタイル、ファッションが近くなってきてるように感じます。
なので流行を追ってる若い中国人の方は日本人が好むスタイルを提供しやすいですが、それ以外の人たちはどうでしょうか?
中国人の場合、髪の毛を毎日洗う人が少ないように感じます。なので髪の毛に油分が多くオイリーな状態でヘアサロンに来る方が多いですね。
なのでヘアカット前は、しっかりと油分をとってシャンプーしてあげないと、カットしてブロードライする際に乾かすのがとても遅くなり、べっとりした仕上がりになりやすいので、洗浄力の強いシャンプーで洗ってあげるといいかなと思います。
また、写真など持参することも多いのですが、なりたいスタイルの希望写真が欧米人のスタイルを持ち込む方がとても多いので、カウンセリングでその写真のどういう部分が好きなのかをしっかりとカウンセリングしてから提案するといいと思います。
韓国人の場合、直毛の毛質の方がとても多いです。なのでパーマをかける比率が高い事が特徴です。
また韓国人のメンズスタイルの中で一般的になってるものとして、モミアゲ部分が直毛なので浮きやすいです。なのでサイドの部分全体にパーマ液をつけて、ラップでフラットに潰して浮かないようにする人がとても多いです。
女性の方も動きのない直毛の方が多いので、直毛の方に対しては束で削ったりするより、セニングシザーで全体を均一に軽くした後にパーマをかけてあげる方が綺麗に仕上がります。
また軽すぎるスタイルよりもやはり重さを残したスタイルがまだまだ主流なので毛先も少しだけブラント感を残しつつ、全体のボリュームはとってあげる方がいいですね。
インド人の場合
もともと癖のある方がとても多いです。そして髪の毛が長い女性が美しいというイメージがついてるので基本はできるだけ切らずに伸ばしていく人が多いように感じます。
なので日本人のクセでダメージ部分があるのと切りたくなる気持ちを抑えて、できるだけ切らないようにしてあげることの方が喜ばれます。
綺麗にしてあげようとダメージ部分を1cm、2cmと切っただけでも怒る人がいるので長さに対しては注意する事が重要です。
それと同じように黒髪で長くストレートヘアが綺麗なインドの女性というイメージを持ってる方が多いので、髪の毛の量もあまり軽くする事をお勧めしません。
中には重たいのが嫌な方もいるのでそういう方は軽くしてあげて、基本は重さと長さを残したスタイルがメインだと思っておいた方がいいと思います。
まとめ
ヘア、メイク、ファッションなど流行に敏感な人か否かでもスタイルの提案が変わってきます。なので全ての人には当てはまらないのですが、海外で働いてる時はやはりその国ごとに流行してるスタイルが好まれていたり、ロンドンやニューヨークだと違う国から移住してきた方がとても多いインターナショナルな国なので自分の母国で流行ってるスタイルを好む方が多いのが特徴です。
日本の美容室でも外国人のお客様がこれからきっと増えると思いますのでそういう時に少しでも相手の国のスタイルに対して知識があれば提案もしやすくなり顧客や紹介にもつながると思いますので是非頭の片隅に入れておいてもらえると嬉しいです。